フェンディ アンバサダー 歴代:ブランドを体現する顔ぶれ
フェンディは、その長い歴史の中で、常に時代の先端を行くスタイルを提案し続けてきました。
近年、ブランドのメッセージをより広く、深く伝えるために、アンバサダー戦略を積極的に展開しています。
アンバサダーは単なる広告塔ではなく、ブランドの価値観や世界観を体現し、消費者との架け橋となる重要な存在です。
ここでは、フェンディがどのような人物をアンバサダーに選び、彼らがどのような役割を果たしてきたのか、その歴史を紐解いていきましょう。
グローバルアンバサダーとは?
グローバルアンバサダーとはどのような役割を持つのでしょうか?
グローバルアンバサダーとは、文字通り「世界的(Global)」な規模でブランドを代表する大使(Ambassador)のことを指します。
特定の国や地域に限定されず、全世界に向けてブランドの顔として活動します。
彼らは、国際的な知名度や影響力を持ち、ブランドがターゲットとする世界中の顧客層に対して、強いメッセージを発信することが期待されます。
ファッションショーへの出席、グローバルキャンペーンへの登場、メディアでのブランドに関する発言など、その活動は多岐にわたります。
フェンディのような世界的なラグジュアリーブランドにとって、グローバルアンバサダーはブランドイメージを国際的に統一し、強化するための鍵となる存在です。
また、フェンディでは「ハウスアンバサダー (House Ambassador)」という称号も使われることがありますが、これは「グローバルアンバサダー」と同義で、世界規模での活動を意味します。
ブランドアンバサダーとの違い
「グローバルアンバサダー」や「ハウスアンバサダー」と似た言葉に「ブランドアンバサダー」があります。
これらの違いは何でしょうか?
主な違いは、その活動範囲と役割の焦点にあります。
比較項目 | グローバルアンバサダー / ハウスアンバサダー | ブランドアンバサダー |
活動範囲 | 全世界 | 特定の国、地域(例:日本、韓国) |
役割の焦点 | ブランド全体の国際的なイメージ向上・統一 | 特定市場での認知度向上、ターゲット層への訴求 |
グローバルアンバサダー/ハウスアンバサダーは前述の通り、世界規模での活動が基本です。
一方、ブランドアンバサダーは、特定の国や地域(例えば「ジャパン ブランドアンバサダー」、「韓国 ブランドアンバサダー」など)に限定して活動する場合に使われることが多いです。
これにより、ブランドは各市場の特性や文化に合わせた、よりきめ細やかなマーケティング戦略を展開できます。
フェンディの場合、「ジャパン ブランドアンバサダー」や「韓国 ブランドアンバサダー」といった具体的な称号が存在することからも、地域に根差した戦略を採用していることがわかります。
ただし、ソン・ヘギョのように「韓国 ブランドアンバサダー」と「グローバルアンバサダー」の両方で言及されるケースもあり、役割の変遷や重複の可能性も示唆されます。
また、目黒蓮のように「ジャパン メンズ ブランドアンバサダー」と「グローバル メンズウェア アンバサダー」の両方の肩書きを持つこともあります。
歴代のグローバルアンバサダー・主要アンバサダー一覧
フェンディは、ブランドの価値観と合致する、世界的に影響力のあるスターたちをアンバサダーとして迎えてきました。
以下に、グローバルな役割を持つ、または特に注目されるアンバサダーの一部を挙げます。
- ソン・ヘギョ (Song Hye-kyo):韓国のトップ女優。
2021年2月に韓国ブランドアンバサダーに就任。
韓国人俳優として初の公式アンバサダーと報じられました。
後にグローバルアンバサダーとしても言及されています。 - ニコラス・ガリツィン (Nicholas Galitzine):イギリス人俳優。
2023年秋冬コレクションキャンペーンで、フェンディ史上初の「グローバル メンズウェア アンバサダー」に任命されました。 - ジェレミー・ポープ (Jeremy Pope):アメリカの俳優・歌手。
2024年1月にグローバル メンズ アンバサダーの一人として発表されました。 - マッシミリアーノ・カイアッツォ (Massimiliano Caiazzo):イタリアの俳優。
2024年1月にグローバル メンズ アンバサダーの一人として発表されました。 - グレッグ・ハン (Greg Hsu / 許光漢):台湾の俳優・歌手。
2024年1月にグローバル メンズ アンバサダーの一人として発表されました。 - 目黒 蓮 (Ren Meguro):日本のアイドル・俳優。
ジャパン メンズ ブランドアンバサダーであると同時に、グローバル メンズウェア アンバサダーの肩書きも持ちます。
これらのアンバサダーは、フェンディのイベントへの参加やSNSでの発信を通じて、ブランドの世界観をリアルタイムで世界中のファンに伝えています。

アジア地域でのアンバサダー
フェンディは、特にアジア市場を重視しており、各国で影響力のあるアンバサダーを起用しています。
- 韓国:ソン・ヘギョ(前述)、イ・ミンホ(俳優)、キム・ダミ(女優、2022年就任)、アン・ユジン(IVE、2023年就任)、バンチャン(Stray Kids、2025年就任)などが韓国ブランドアンバサダーを務めています。
K-POPや韓流ドラマの世界的な影響力を活用する戦略が見られます。 - 中国市場へのアピール:ソン・ユチ ((G)I-DLE) は、K-POPグループに所属する中国人メンバーとして、2024年初頭にブランドアンバサダーに就任。
韓国と中国の両市場にアピールできる戦略的な起用です。 - 日本:後述の通り、複数の日本人アンバサダーが活躍しています。
アジア市場、特に日本を含む地域では、アンバサダー起用がブランドイメージ向上だけでなく、販売促進にも繋がることを期待されている側面があるとの指摘もあります。
アンバサダーを務める芸能人の報酬
アンバサダー契約の具体的な報酬額は機密情報であり、公表されません。
しかし、一般的な業界の相場観としては、アンバサダーのステータスや契約内容によって大きく変動します。
- トップクラスの芸能人の場合、年間契約料は数千万円から1億円以上にのぼることもあります。
- 報酬は契約金だけでなく、製品提供(ギフティング)、イベントへの招待(旅費・宿泊費含む)、メディア露出による価値向上なども含まれると考えられます。
フェンディのようなブランドが高額な費用を投じるのは、アンバサダー起用がブランド認知度向上、イメージ向上、そして最終的な売上増加といった投資に見合うリターン(ROI)をもたらすと計算しているためです。
フェンディ アンバサダー 歴代:日本からの選出
1965年に日本市場に参入して以来、フェンディにとって日本は重要な市場であり続けています。
近年、日本人アンバサダーの起用が活発化しており、日本市場への注力がうかがえます。
日本人アンバサダーは誰?
現在活躍中、または過去に就任した主な日本人アンバサダーは以下の通りです。
名前 | 主な称号 | 就任年 / 主要マイルストーン | 特筆事項 |
---|---|---|---|
米倉 涼子 | ジャパン ブランドアンバサダー | 2021年1月就任 | フェンディ史上初のジャパン ブランドアンバサダー |
川口 春奈 | ジャパン ブランドアンバサダー | 2023年3月就任 | 女優として活躍、各種イベント・メディア露出 |
目黒 蓮 | ジャパン メンズ ブランドアンバサダー グローバル メンズウェア アンバサダー |
2024年2月 JPN就任 2025年 SSグローバルキャンペーンモデル |
初の日本人男性アンバサダー 初の日本人単独グローバル広告起用 |
MINA (TWICE) | ジャパン ブランドアンバサダー | 2025年1月就任 | K-POPグループTWICE/MISAMOメンバー、日本での高い人気 |
これらの起用は、日本市場におけるブランドの存在感を高め、多様な顧客層へのアピールを強化するものです。

日本人初の起用はいつ?
フェンディが日本人として初めてブランドアンバサダーに起用したのは、女優の米倉涼子さんです。
彼女の就任は2021年1月に発表されました。
これは、フェンディが日本市場へのコミットメントを深める上で画期的な出来事でした。
アンバサダー就任の背景
フェンディがアンバサダーを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮しています。
- ブランドイメージとの親和性:アンバサダーの持つイメージが、フェンディのブランド哲学(エレガンス、クラフツマンシップ、革新性、遊び心など)と共鳴しているか。
- ターゲット層への影響力:ブランドがアプローチしたい顧客層に対して、強い影響力を持っているか。
- ファッションへの関心と理解:フェンディのスタイルを理解し、魅力的に着こなせること。
- クリーンなイメージ:ラグジュアリーブランドの顔としてふさわしいパブリックイメージ。
- 国際的な活躍(グローバルアンバサダーの場合):世界的な知名度と活動実績。
これらの要素を総合的に判断し、ブランドメッセージを最も効果的に伝えられる人物が選ばれます。
目黒蓮さんの起用は、日本人男性初のアンバサダー、そして後に日本人初の単独グローバル広告キャンペーンへの起用 という点で、フェンディの日本市場および彼自身のポテンシャルへの高い評価を示しています。

アンバサダーの役割と影響力
フェンディのアンバサダーは、ブランドに多大な影響を与えます。
主な役割:
- 広告・キャンペーンへの出演
- イベントへの参加(ファッションショー、店舗オープニングなど)
- SNSでの情報発信
- メディア取材対応
- ブランド価値の体現
ブランドへの影響力:
- ブランド認知度の向上
- ブランドイメージの向上・刷新
- 売上への貢献(着用アイテムへの注目など)
- 新規顧客層の獲得
- メディア露出の増加
アンバサダーは、ブランドと消費者を繋ぐ重要な架け橋として機能しています。
最新のアンバサダー情報

アンバサダーの契約状況は変動するため、最新情報は公式サイトなどで確認することが推奨されます。
2025年5月現在、グローバルレベルではニコラス・ガリツィン、ジェレミー・ポープ、マッシミリアーノ・カイアッツォ、グレッグ・ハン、目黒蓮(メンズ)、ソン・ヘギョ(グローバルとしても言及あり)などが活躍しています。
アジア地域では、韓国のアン・ユジン、バンチャン、ソン・ユチ、日本の川口春奈、目黒蓮、MINAなどがブランドの顔として活動しています。
彼らの今後の活躍や、新たなアンバサダーの登場にも注目が集まります。
特に目黒蓮さんが2025年春夏メンズコレクションのグローバル広告キャンペーンに日本人として初めて単独起用されたことは、フェンディのアンバサダー戦略における重要なマイルストーンと言えるでしょう。
フェンディ アンバサダー 歴代のまとめ
この記事では、「フェンディ アンバサダー 歴代」というテーマを中心に、様々な角度から解説してきました。
最後に、記事で触れた重要なポイントをまとめます。
- グローバルアンバサダー/ハウスアンバサダーとは?:全世界でブランドを代表する大使。
ニコラス・ガリツィン(初のメンズウェア)、ジェレミー・ポープ、グレッグ・ハンなどが該当。 - ブランドアンバサダーとの違い:活動範囲(全世界 vs 特定地域)が主な違い。
- アジア地域でのアンバサダー:韓国(ソン・ヘギョ、イ・ミンホ、アン・ユジン、バンチャン等)、日本(米倉涼子、川口春奈、目黒蓮、MINA)、台湾(グレッグ・ハン)、中国市場向け(ソン・ユチ)など、地域戦略が明確。
- アンバサダーを務める芸能人の報酬:契約金、製品提供、イベント招待など。
具体的な金額は非公開だが、一般的に高額。 - 日本人アンバサダーは誰?:米倉涼子(2021年、初の日本人)、川口春奈(2023年)、目黒蓮(2024年、初の日本人男性、グローバル兼任)、MINA(2025年)。
- 日本人初の起用はいつ?:2021年1月の米倉涼子。
- アンバサダー就任の背景:ブランドイメージとの親和性、影響力などが基準。
- アンバサダーの役割と影響力:広告塔、イベント参加、SNS発信などを通じ、ブランド価値向上と売上に貢献。
- 最新の注目動向:目黒蓮が日本人として初めて単独でグローバル広告キャンペーンに起用されるなど、戦略は進化中。
フェンディのアンバサダーたちは、ブランドの伝統と革新を体現する存在として、これからもその動向が注目されます。