Fendiによる意外なコラボレーションの背景
フェンディといえば、高品質なレザーグッズ、ファー製品、そして洗練されたデザインで知られるイタリアを代表するラグジュアリーブランドです。
伝統と革新性を重んじるフェンディが、なぜ誰もが知るポップなキャンディ、チュッパチャップスと手を組んだのでしょうか。
これは、フェンディの持つ卓越したクラフツマンシップと、ある種の「シニカルなユーモア」または遊び心を融合させ、日常的なアイテムにラグジュアリーな価値を与えるという、ブランドの新たな試みと捉えることができます。
誰もが知るキャンディのための精巧なレザー製ホルダーは、それ自体がユニークなアクセサリーとして注目を集めました。
近年ファッション業界では、ハイブランドと大衆的なブランドやキャラクターとのコラボレーションがトレンドとなっており、意外性や親近感を生み出すことで、新たな顧客層へのアピールや話題性の創出を狙っています。
フェンディ チュッパチャップスは、まさにこの流れを象徴するアイテムと言えるでしょう。
子供の頃に誰もが一度は口にしたであろうチュッパチャップスを、大人がラグジュアリーなアクセサリーとして身につけるというユニークな発想が、多くの人々の心を掴みました。
発表されたコレクションとショーでの登場
このユニークなロリポップホルダーが登場したのは、フェンディ 2024-25年秋冬ウィメンズコレクションのランウェイショーです。
このコレクションは、ローマ的な自由なスタイルと、実用的でありながら時に破壊的な英国的影響を結びつけ、「二面性」を探求することをテーマとしていました。
ショーでは、モデルたちがバッグのチャームとして、あるいは首から下げてこのロリポップホルダーを身につけて登場。
コレクション全体のテーマである「二面性」——例えば、フェンディの伝統的なクラフツマンシップ(ローマ的)とチュッパチャップスの遊び心(破壊的/英国的影響)、実用性(実際にキャンディを収納)とラグジュアリー(アイテム自体)といった対比——を、この小さなアクセサリーが見事に体現していました。
上質なレザーで作られたホルダーに、カラフルなチュッパチャップスがセットされている様子は、ショーの中でも特に注目を集め、SNSなどでも瞬く間に話題となりました。

デザインの特徴と使用された素材
フェンディ チュッパチャップスホルダーは、単なるキャンディケースではありません。
フェンディならではのこだわりが随所に詰まっています。
球体に近い形状で、チュッパチャップスのロリポップキャンディをぴったりと収納できるようデザインされており、開閉はマグネット式でスムーズです。
サイズは高さ約12cm、奥行き約6cm、幅約6cmと、コンパクトながら存在感があります。
特徴 | 詳細 |
---|---|
主なタイプ | バッグなどに取り付ける短いストラップのチャームタイプと、首から下げる長いストラップのネックレスタイプの2種類。 |
素材 | 外側には高品質なカーフレザー100%、内側にはゴートレザー100%を使用。 |
シグネチャーディテール | フェンディの伝統とローマの馬具職人への敬意を反映した「セレリア」のマクロステッチ。メゾンを象徴するメタル製の「FF」ロゴ。 |
ストラップ | 調節可能な結び目付きのレザーストラップ。 |
カラーバリエーション | アクアマリン、ディープレッド、ウォームベージュ、ダブグレー、ダークティール、プラム、バーガンディ、ライトブルーなど、多彩な色が展開されました。 |
付属品 | フェンディ家の5人姉妹へのオマージュとして作られた、限定版カカオバニラ味の「Chupa Chups® x FENDI」ロリポップ5本が入った専用ボックス。 |
素材には、フェンディが得意とする上質なレザーが用いられ、熟練の職人技が光る「セレリア」ステッチやFFロゴが、ラグジュアリーブランドとしての格の高さを物語っています。
まさに「チュッパチャップス ケース Fendi」や「ロリポップホルダー fendi」と呼ぶにふさわしい、洗練されたデザインと言えるでしょう。

機能性とアクセサリーとしての価値
このホルダーの主な機能は、チュッパチャップスを収納し、持ち運ぶことです。
しかし、それだけではありません。
短いストラップのチャームタイプは、バッグやベルトループに取り付ければ、コーディネートのアクセントとして活躍します。
長いストラップのネックレスタイプは、その名の通りユニークなネックレスとして楽しめます。
さらに、このホルダーには限定版のカカオバニラ味のチュッパチャップス5本が入った専用ボックスが付属するという、特別なサプライズも用意されています。
これはフェンディ家の5人姉妹へのオマージュであり、単なるホルダーを超えた物語性を与え、コレクターズアイテムとしての価値を高めています。
日常的なアイテムであるチュッパチャップスを、ラグジュアリーなアクセサリーへと昇華させたフェンディの発想力とデザイン力が光ります。
持つ人の遊び心を刺激し、会話のきっかけにもなるような、ユニークな存在感を放つアイテムです。
フェンディ チュッパチャップス:価格、入手方法、そして人気の背景
発売当時の定価は?
多くの人が気になるのが、その価格でしょう。
「fendi チュッパチャプス 値段」は、いくらだったのでしょうか。
日本での発売当時の公式価格(税込)は以下の通りです。
- チャームタイプ: ¥90,200
- ネックレスタイプ: ¥100,100
参考までに、海外での価格はアメリカでチャームが$620、ネックレスが$690などとなっていました。
チュッパチャップス本体が1本数十円であることを考えると、約9万円から10万円という価格設定は、このホルダーがいかにラグジュアリーなアイテムであるかを物語っています。
これは、フェンディのブランド価値、最高級の素材、セレリアステッチなどの職人技、デザイン性、そして限定ロリポップを含む希少性を反映した価格設定と言えるでしょう。
単なる実用品ではなく、ファッションコレクターズアイテム、あるいはステータスを示すアクセサリーとしての側面が強いアイテムです。
特徴 | チャームモデル | ネックレスモデル |
---|---|---|
主な用途 | バッグチャーム | ネックレス |
ストラップの長さ | 短い | 長い |
価格 (日本円-税込) | ¥90,200 | ¥100,100 |
価格 (米ドル-参考) | $620 | $690 |
主な素材 | カーフレザー / ゴートレザー | カーフレザー / ゴートレザー |
シグネチャーディテール | セレリアステッチ, FFロゴ | セレリアステッチ, FFロゴ |
付属品 | ホルダー、限定ロリポップ5本入りボックス | ホルダー、限定ロリポップ5本入りボックス |
現在の入手方法と市場価値
フェンディ チュッパチャップスホルダーは、2024年7月下旬頃に日本のフェンディ直営店および公式オンラインストアで発売されましたが、限定的な生産であった可能性が高く、話題性も相まって、現在フェンディの正規ルートで新品を入手するのは非常に困難と考えられます。
基本的には中古市場(リセールマーケット)で探すことになります。
BUYMAのような個人輸入サイトや、メルカリなどのフリマアプリでは、発売直後から出品が見られ、価格は定価前後あるいはそれ以上で取引されている例もあります(例: メルカリで87,000円、BUYMAで99,300円など ※出品時期や状態による)。
人気の高さと希少性から、今後もコレクターズアイテムとして価値が変動する可能性があります。
もしリセール市場で購入する場合は、信頼できるプラットフォームや販売者から購入し、商品の状態や真贋を慎重に確認することが重要です。
一般的なキャラクターケースとの違い
「チュッパチャプス ケース キャラクター」で検索すると、様々なキャラクターをモチーフにした、手頃な価格のケースが見つかります。
例えば、サンリオキャラクターズ(ハローキティ、マイメロディ、クロミなど)のぬいぐるみホルダーやパスケース(価格帯: 約1,000円〜3,000円)、あるいは「Pop Ups!」ブランドから出ているスヌーピー、ミニオンズ、ちいかわなどのキャラクターケース(価格帯: 約400円〜800円)などがあります。
これらのケースは、主にロリポップを衛生的に保管したり、キャラクターグッズとして楽しんだりするためのもので、素材もプラスチックや布などが一般的です。
一方、フェンディのロリポップホルダーは、全く異なる次元の製品です。
フェンディ チュッパチャップスホルダーは、
- 素材: 最高級のカーフレザーやゴートレザー、メタルを使用
- 価格帯: 9万円〜10万円
- ターゲット: ファッション感度の高い大人、ラグジュアリーコレクター
- 価値: 高度な職人技、ファッションステートメント、限定性、ブランドの伝統
という特徴を持ち、一般的なキャラクターケースとは素材、価格、デザイン、ターゲット層、そして提供する価値が根本的に異なります。
フェンディのホルダーは、チュッパチャップスというポップなモチーフを、大人のための洗練された高級アクセサリーへと昇華させている点が最大の違いです。

なぜチュッパチャップスは世界中で愛されるのか?

そもそも、なぜフェンディは数あるキャンディの中からチュッパチャップスを選んだのでしょうか。
それは、チュッパチャップスが単なるお菓子ではなく、世界的なポップカルチャーアイコンとしての地位を確立しているからです。
チュッパチャップスが流行った理由、その人気の秘密を探ってみましょう。
- 画期的なアイデア: 1958年、スペインのエンリケ・ベルナートが「手が汚れずに食べられるキャンディ」として考案。
フォークにキャンディを付けたような形状は画期的でした。 - 印象的な名前の変遷: 当初の名前はサッカーボールとゴールにちなんだ「GOL(ゴール)」。
その後、広告代理店の提案で擬音語から「CHUPS(チュプス)」に変更。
最終的に「Chupa Chupa Chupa un CHUPS(舐めよう、舐めよう、舐めよう、チュプスを!)」というラジオCMソングの人気から、人々が「チュッパチャプス」と呼ぶようになりました。
(スペイン語の「Chupar」は「しゃぶる、舐める」の意味) - アイコニックなロゴ: 後述しますが、世界的アーティスト、サルバドール・ダリがデザインしたロゴが、ブランドイメージを強く印象付けています。
- 豊富なフレーバー: 定番のストロベリーやコーラから、期間限定フレーバーまで、飽きさせない多様な味を提供し続けています。
- グローバルな展開: 世界160カ国以上で販売され、世代や文化を超えて親しまれています。
日本には1977年に上陸しました。 - 手頃な価格: 子供でも気軽に買える価格設定が、幅広い層への普及を後押ししました。
- 宇宙へ: 1995年には、ロシアの宇宙飛行士によって宇宙ステーション「ミール」にも持ち込まれました。
これらの要素が組み合わさり、チュッパチャップスは単なるキャンディを超えた存在となったのです。
フェンディがこの普遍的なアイコンに注目したのは、そのデザイン遺産や文化的背景も含めてのことだったのでしょう。
サルバドール・ダリが手がけたロゴデザイン
チュッパチャップスの成功に大きく貢献した要素の一つが、その有名なロゴデザインです。
現在のロゴの原型は、1969年にシュルレアリスムの巨匠として知られるサルバドール・ダリによってデザインされました。
創業者のベルナートがダリにロゴデザインを依頼した際、ダリはカフェ(またはレストラン)で紙ナプキンにデージー(ヒナギク)のような形の中に「Chupa Chups」の文字を描き上げ、わずか1時間ほどで完成させたと言われています。
さらにダリは、「ロゴは棒付きキャンディのてっぺんに配置すべきだ」とアドバイスしました。
これにより、包み紙を剥いてもロゴが正面に見えるようになり、ブランドの認知度向上に大きく貢献しました。
この明るい色彩と特徴的な形状のロゴは、わずかな変更を経ながらも、今日までブランドの顔として世界中で愛され続けています。
世界的アーティストがデザインしたというストーリーも、ブランド価値を高める一因となっています。
多彩なフレーバーと時代のアイコンとして
チュッパチャップスの魅力は、その味の多様性にもあります。
当初は7種類のフレーバーでスタートしましたが、現在では定番のフルーツ系、ソーダ系、クリーミー系に加え、地域限定や期間限定のフレーバーも次々と登場し、消費者を飽きさせません。
常に新しい驚きを提供し続ける姿勢が、長く愛される理由の一つです。
そして、そのカラフルな見た目、手軽さ、そしてどこか懐かしさを感じさせる存在感は、ファッションやアートの世界でも度々モチーフとして取り上げられてきました。
1995年には宇宙にも進出し、2006年からはイタリアとオランダに拠点を置く大手菓子メーカー、ペルフェティ・ファン・メレ社の傘下に入り、グローバルブランドとしての地位をさらに強固なものにしています。
フェンディとのコラボレーションは、チュッパチャップスが時代を超えて愛されるポップアイコンであることを改めて証明した出来事と言えるでしょう。
フェンディ チュッパチャップスに関するこの記事のまとめ
この記事では、大きな話題となった「フェンディ チュッパチャップス」ロリポップホルダーについて、様々な角度から解説してきました。
最後に、記事で触れた内容をまとめます。
- コラボレーションの発表: フェンディ 2024-25年秋冬ウィメンズコレクションで登場。
ラグジュアリーとポップカルチャーの融合。 - デザインと素材: 高品質なカーフレザー/ゴートレザーを使用し、セレリアステッチやFFロゴが特徴。
マグネット開閉式。
チャームとネックレスの2タイプ。 - 付属品: 限定版カカオバニラ味のチュッパチャップス5本入り専用ボックスが付属。
- 価格: 日本での定価はチャームタイプが¥90,200、ネックレスタイプが¥100,100(税込)。
- 入手方法: 2024年7月下旬頃に発売されたが、現在は正規店での入手は困難。
主にリセール市場での取引となる。 - 一般的なケースとの違い: 素材、価格(約9万円〜)、職人技、価値において、数百円〜数千円の一般的なキャラクターケース(サンリオ、Pop Ups!など)とは一線を画すラグジュアリーアイテム。
- チュッパチャップスが人気の理由: 手が汚れないアイデア、名前の変遷(GOL→CHUPS→チュッパチャプス)、ダリによるロゴ、豊富なフレーバー、世界展開(宇宙へも)、手頃な価格など。
- ダリのデザイン: 1969年にサルバドール・ダリが手がけたアイコニックなロゴがブランド認知に貢献。
- ポップアイコンとして: 時代を超えて愛される存在であり、ペルフェティ・ファン・メレ社傘下でグローバルに展開。
ファッション界でも注目されるモチーフ。
フェンディ チュッパチャップスは、単なる話題性だけでなく、フェンディのクラフツマンシップと遊び心、そしてチュッパチャップスという普遍的なアイコンの魅力が見事に融合した、ユニークで価値あるコレクターズアイテムと言えるでしょう。
参考資料
- FENDI | フェンディ公式オンラインストア
(※ロリポップホルダーの個別商品ページは現在アクセスできない可能性がありますが、ブランド公式サイトとして参照) - Chupachups – チュッパチャプスの歴史
(チュッパチャプスの公式ブランドサイト。
歴史やロゴに関する情報源) - フェンディ x チュッパチャプス ロリポップホルダーを発売! – PR TIMES
(フェンディによるコラボレーション発表の公式プレスリリース)