エルメスといえば、バーキンやケリーといったバッグが有名ですが、そのジュエリーコレクションもまた、世界中の人々を魅了し続けています。
特に、ブランドのアイコンとして名高い「シェーヌダンクル」は、その代表格です。
一方で、「エルメス ジャンヌダルク ブレスレット」というキーワードで検索される方もいらっしゃるようですが、調査の結果、この名称のブレスレットはエルメスの公式ラインナップには存在しない可能性が高いことが分かりました。
この記事では、その「ジャンヌダルク」という名称の由来に関する考察から、エルメスの象徴的なブレスレットである「シェーヌダンクル」の魅力、定価、サイズ、入手方法、そして他の人気ブレスレットまで、詳しく解説していきます。
エルメスのブレスレット選びで迷っている方、シェーヌダンクルの詳細を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- 1. 「エルメス ジャンヌダルク ブレスレット」という名称の謎と背景
- 2. エルメスの象徴「シェーヌダンクル」ブレスレットのデザイン、サイズ、定価
- 3. シェーヌダンクルの入手困難な理由と販売終了の噂について
- 4. エルメスのその他の人気ブレスレット(レザー、エナメルなど)
エルメス ジャンヌダルク ブレスレットという名称の謎

エルメスのジュエリーに関心を持つ方の間で、「エルメス ジャンヌダルク ブレスレット」というキーワードが検索されることがあります。
しかし、調査の結果、エルメスが公式にこの名前のブレスレットを販売しているという事実は確認できませんでした。
では、なぜこの名称が検索されるのでしょうか? その背景と、「ジャンヌダルク」という名前がエルメスにとって持つ意味を探ります。
「ジャンヌダルク」はブレスレットではなくスカーフのデザイン?
エルメスの歴史において「ジャンヌ・ダルク」という名前が登場するのは、ジュエリーではなく、1937年に誕生した最初のシルクスカーフ「カレ」のデザインにおいてです。
最初のカレのデザインの一つが「ジャンヌ・ダルクの騎士たち」(※Jeu des Omnibus et Dames Blanchesとしばしば混同されるが、これが最初期のデザインとされる)と題されていたとされています。
フランスの英雄ジャンヌ・ダルクにちなんだこの歴史的なスカーフは、エルメスの歴史における重要な製品であり、その名前の認知度の高さが、存在しないブレスレットへの検索につながった可能性があります。
つまり、「エルメス ジャンヌダルク ブレスレット」という検索は、この有名なスカーフの名前とブレスレットというアイテムを結びつけようとした結果生じた誤解である可能性が高いと考えられます。
実際に、このキーワードで検索しても、エルメス公式のブレスレット情報ではなく、関連性の低い情報(エルメス製ではないメダイやリング、シェーヌダンクルに関するページでのユーザーコメント など)が表示される傾向にあります。
また、一部で見られる「発売日 2025/02/07」「定価 12600円」といった情報は、エルメスのブレスレットの価格帯や発売時期とは考えにくく、誤情報である可能性が高いです。
ジャンヌダルク リングやネックレスは存在する?
ブレスレットと同様に、「エルメス ジャンヌダルク リング」や「エルメス ジャンヌダルク ネックレス」というキーワードで検索されることもありますが、これらについてもエルメスの公式製品として存在するという証拠は見つかりませんでした。
これらの検索も、主にスカーフのデザイン名や、エルメスとは関係のないジャンヌ・ダルク関連商品を示唆する結果となることが多いようです。
スカーフをブレスレットとして使うスタイル
公式の「ジャンヌダルク ブレスレット」は存在しないものの、エルメスのスカーフ(カレやツイリーなど)を手首に巻いてブレスレットのようにスタイリングする楽しみ方は、ファンの間で確立されています。
もしかすると、「ジャンヌダルク」スカーフのデザインに魅了された方が、その美学を補完するブレスレットを探したり、スカーフ自体をブレスレットとして活用したりしているのかもしれません。
(旧)ジャンヌダルク ブレスレットの気になる定価 → 存在しない可能性が高い
前述の通り、エルメス ジャンヌダルク ブレスレットという公式製品は確認できないため、その定価も存在しません。
もし中古市場などでこの名称の製品を見かけたとしても、エルメスの正規ラインではない可能性や、他の製品との混同である可能性を考慮する必要があります。
(旧)メンズが着けるジャンヌダルク ブレスレットの魅力 → 存在しない可能性が高い
公式製品が存在しないため、メンズ向けのジャンヌダルク ブレスレットというものもありません。
男性向けのエルメス ブレスレットをお探しであれば、後述するシェーヌダンクルや、コリエ・ド・シアン、グレナン、ゴリアテなどがおすすめです。
エルメス ジャンヌダルク ブレスレットに代わるアイコン、シェーヌダンクルの魅力
「ジャンヌダルク ブレスレット」という名称は誤解の可能性が高いことがわかりましたが、エルメスには揺るぎないアイコンとして世界中で愛されるブレスレットが存在します。
それが「シェーヌダンクル」です。
ここでは、エルメスを象徴するシェーヌダンクル ブレスレットのデザインの由来から、素材、サイズ選び、そして気になる定価や入手困難な理由まで、その全貌を詳しく解説します。
エルメスを象徴するシェーヌダンクル ブレスレットとは
シェーヌダンクル(Chaine d’Ancre)は、フランス語で「錨の鎖」を意味します。
1938年、当時の社長ロベール・デュマ=エルメスが港で見た船と錨をつなぐ鎖にインスピレーションを得て誕生しました。
実用的な船具の形が、いかにしてラグジュアリーと「固く結ばれた絆」の象徴へと昇華したのかは、エルメスのデザイン哲学を物語っています。
その特徴的なデザインは、連結する錨の鎖のコマと、Tバークラスプです。
シンプルでありながら一目でエルメスとわかるデザインは、様々なファッションスタイルにマッチし、80年以上にわたり人気が衰えることはありません。
元々は男性向けとして登場したかもしれませんが、現在では性別を問わず広く愛されるユニセックスなアイテムとなっています。
シェーヌダンクルの素材とこだわり

シェーヌダンクル ブレスレットの最もポピュラーな素材はスターリングシルバー(AG 925/1000)です。
エルメスのシルバー製品は、その品質と仕上げが格別で、他のシルバージュエリーとは一線を画すエレガントでラグジュアリーな雰囲気を醸し出します。
輝きと耐久性を高めるためにプラチナコーティングが施されている場合もあります。
より豪華なバリエーションとして、18Kゴールド(イエローゴールド – YG、ローズゴールド/ピンクゴールド – PG)も存在します。
ゴールドバージョンはより高級感を演出し、特にピンクゴールドは肌なじみが良いとされますが、価格は大幅に高く、見つけること自体が非常に困難です。
サイズ展開:自分に合うコマの大きさを見つける
シェーヌダンクルを選ぶ上で非常に重要なのがサイズ選びです。
サイズは、リンク(コマ)の大きさによって主に5種類に分類されます。
表1:エルメス シェーヌ・ダンクル ブレスレット サイズガイド
サイズコード | コマの大きさ (約 cm) | 主な対象 | 備考 |
---|---|---|---|
PPM | ~0.9 cm | 主に女性(繊細、細い手首向け) | 最も小さいコマ、最もフェミニン。 一時廃盤/入手困難だったが再販の可能性あり |
PM | ~1.3-1.4 cm | 主に女性(エレガントな存在感) | 華奢ながら存在感があり自然なフィット感 |
MM | ~1.7 cm | ユニセックス(女性に最も人気) | バランスが良く汎用性が高い。 女性人気No.1 |
GM | ~2.1 cm | 主に男性(男性に最も人気) | かなりのボリューム感、強い存在感。 男性人気No.1 |
TGM | ~2.4 cm | 主に男性(最大の存在感) | 最も大きいコマ、非常に大胆なステートメントピース |
コマの大きさだけでなく、ブレスレット全体の長さ(コマ数)も重要です。
例えば、男性にはGMサイズの13コマが人気とされています。
購入前に手首周りを測定し、適切なコマ数を選ぶことが推奨されます。
エルメスブティックでコマ調整が可能な場合もありますが、費用が発生する可能性がある点に注意が必要です。
シェーヌダンクルの現在の定価目安と価格推移
シェーヌダンクルの定価は、エルメスの価格改定(近年は特に頻繁かつ大幅)により変動します。
以下は、2025年2月の価格改定後の定価を目安として示します。
近年の価格推移も併記しますが、常に最新の情報を正規店でご確認ください。
表2:エルメス シェーヌ・ダンクル ブレスレット 定価推移(主要サイズ、シルバー、税込 JPY)
サイズ | 2021年価格 | 2022年価格 | 2023年価格 | 2024年価格 | 2025年2月改定後価格 |
---|---|---|---|---|---|
PM | 160,600 | – | – | 228,800 | 242,000 |
MM | 165,000 | 169,400 | 199,100 | 247,500 | 261,800 |
GM | 171,600 | 174,900 | 207,900 | 266,200 | 281,600 |
TGM | 192,500 | 192,500 | 216,700 | 286,000 | 302,500 |
注:価格は情報源によって若干の差異がある場合があります。
近年、特に2021年以降の価格上昇は著しく、MMサイズは約10万円も値上がりしています。
この急激な価格上昇の背景には、後述する極端な希少性があります。
手作業による生産数の限界、セレブリティの愛用 やSNSでの露出 による需要急増などが重なり、供給が需要に全く追いついていない状況です。
この希少性が価格を押し上げ、ヴェブレン効果(価格が高いほど需要が増す現象)も相まって、さらにその価値を高めています。
結果として、中古市場も活況で、状態の良い中古品は定価と同等か、それを上回るプレミア価格で取引されることも珍しくありません。
シェーヌダンクル販売終了の噂と現状:なぜ入手困難なのか?
シェーヌダンクルは販売終了したのですか?
いいえ、シェーヌ・ダンクル ブレスレットは販売終了していません。
この噂は、その極端なまでの入手困難さから生じている誤解です。
入手困難な主な理由は以下の通りです。
- 職人による手作業生産: フランスの熟練職人が一つ一つ手作りするため、大量生産ができません。
- 世界的な需要の高さ: アイコンとしての地位、有名人の愛用、時代を超えたデザイン、ユニセックスな魅力 などにより、需要が供給を大幅に上回っています。
- COVID-19の影響: パンデミックが生産体制に影響を与え、供給をさらに逼迫させました。
- 販売戦略と希少性の管理: エルメスは意図的に希少性を管理している側面もあります。
ブティックでの即時購入は非常に稀で、多くの場合、ウェイティングリストへの登録や、エルメスとの購入履歴(実績)が必要とされます。
入荷待ち期間は数ヶ月から1年以上、あるいはそれ以上になることも珍しくありません。
予約すら困難な状況です。
特にPPMサイズは、過去に一時的に廃盤または入手不可とされていた時期があり、これがシリーズ全体の販売終了という噂の一因となった可能性も指摘されています。
現在は再販されている可能性もありますが、依然として希少です。
このように、生産上の制約に加え、ブランド価値を高めるための戦略的な流通管理により、シェーヌダンクルは極めて入手困難な状況が続いているのです。
シェーヌダンクル ファミリー:広がる錨の鎖の世界

シェーヌダンクルのモチーフは、ブレスレットだけに留まらず、ネックレス、リング、ピアス、カフリンクス、スカーフリング など、様々なアイテムに展開されています。
さらに、クラシックなデザインにアレンジを加えたバリエーションも人気です。
- シェーヌ・ダンクル・アンシェネ: コマが固定されたり、ねじれたりしたデザイン。
彫刻的な印象で、特にリングが人気。 - シェーヌ・ダンクル・パンク: 安全ピンのモチーフを取り入れた、エッジの効いたデザイン。
ピエール・アルディ作。 - ファランドール: 異なるサイズのコマを組み合わせたり、モチーフを繊細に取り入れたりしたデザイン。
ロングネックレス(ソートワール)などが代表的。 - ミニ・クリック・シェーヌ・ダンクル: クラスプ機構とエナメル技術を組み合わせたバングル。
- エヴァー・シェーヌ・ダンクル: より細いコマを用いたり、モチーフをファインジュエリーに取り入れたりしたデザイン。
これらのバリエーションは、アイテムの種類、スタイル、価格帯(シルバー、ゴールド、エナメルなど)に幅を持たせ、より多くの顧客にアピールし、コレクション化を促すエルメスの戦略を示しています。
クラシックなブレスレットは入手困難ですが、リングや他のバリエーションは比較的手に入れやすい場合もあり、シェーヌダンクルの世界への入り口となっています。
自分に合うエルメス ブレスレットの選び方:シェーヌダンクル以外も視野に
エルメスにはシェーヌダンクル以外にも魅力的なブレスレットが多数存在します。
自分に合う一本を選ぶために、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 素材とデザインの好み:
- 素材: シルバー(シェーヌダンクル、アレア、ブックルセリエなど)、レザー(ケリー、コリエ・ド・シアン、ビーアピなど)、エナメル(クリックH、ユニなど)から選びます。
- ボリューム感: 存在感のあるもの(シェーヌダンクルGM/TGM、コリエ・ド・シアン)か、さりげないもの(シェーヌダンクルPM/MM、クリックH、ケリー)か。
- テイスト: マスキュリン(シェーヌダンクルGM/TGM、ゴリアテ)、エレガント(シェーヌダンクルMM)、フェミニン(ケリー)、ポップ(クリックH)など。
- 着用シーン: 日常使いか、特別な日か。
仕事にも着けるか。
TPOに合わせて選びましょう。 - サイズ感: 特にシルバーブレスレットはサイズ調整が難しいことが多いので、手首周りを正確に測り、試着してフィット感を確認することが重要です。
- 予算: エナメルやレザーは比較的手頃な価格帯からありますが、シルバーは数十万円から、ゴールドは数百万円以上になります。
- 他のアクセサリーとの相性: 普段のジュエリーや時計との色味(シルバー/ゴールド)やテイストを合わせると統一感が出ます。
表3:人気エルメスブレスレット(シェーヌ・ダンクル以外)のスナップショット
モデル名 | 主な素材 | 主要な特徴/モチーフ | 代表的なスタイル |
---|---|---|---|
ケリー・ドゥブルトゥール | レザー、メタル | ケリーバッグのクラスプ、二重巻き | エレガント、象徴的 |
ビーアピ・ドゥブルトゥール | レザー、メタル | Hバックル、二重巻き/リバーシブル | スタイリッシュ、シンプル、ユニセックス |
コリエ・ド・シアン (CDC) | レザー、メタル | ピラミッドスタッズ、幅広デザイン | 大胆、ステートメント |
グレナン | レザー、メタル | 編み込みレザー、H/錨風クラスプ | カジュアル、カラフル |
クリックH / クリック・クラック | エナメル、メタル | Hロゴクラスプ、バングル | アイコニック、重ね付け向き |
エクリプス | メタル | パンチングHロゴ | シック、控えめなロゴ |
メンズスタイルに人気のエルメス ブレスレット
エルメスのブレスレットはユニセックスなデザインが多いですが、特に男性には以下のモデル/サイズが人気です。

- シェーヌダンクル GM / TGM サイズ
- コリエ・ド・シアン
- ゴリアテ
- ビーアピ
- トゥルニ・トレッセ
- ジャンボ
- トゥアレグ シルバー
エルメス ジャンヌダルク ブレスレットに関する情報のまとめ
この記事では、「エルメス ジャンヌダルク ブレスレット」という名称の謎から、エルメスの象徴であるシェーヌダンクル、そして他の人気ブレスレットについて解説しました。
- 「ジャンヌダルク ブレスレット」の謎: エルメスの公式製品ではなく、1937年のスカーフデザインに由来する誤解の可能性が高いです。
リングやネックレスも同様です。 - エルメス シェーヌダンクル ブレスレット: 1938年誕生の錨の鎖モチーフのアイコン。
シルバーが定番で、ゴールドもあり。
サイズ展開(PPM~TGM)が豊富。 - シェーヌダンクルの定価: 近年大幅に上昇。
2025年2月改定後、シルバーMMは約26万円、GMは約28万円が目安。
常に変動するため要確認。 - シェーヌダンクルの入手困難さと販売終了の噂: 販売終了はしておらず、極端な品薄状態が原因の噂。
手作業生産、高需要、販売戦略により入手は極めて困難。 - シェーヌダンクル ファミリー: ネックレス、リング、ピアスや、アンシェネ、パンクなどのバリエーションも豊富。
- その他の人気ブレスレット: レザーのケリー、ビーアピ、コリエ・ド・シアン、グレナン、エナメルのクリックH など多彩。
- メンズ向け: シェーヌダンクルGM/TGM、コリエ・ド・シアン、ゴリアテなどが人気。
- 選び方のポイント: 素材、デザイン、ボリューム感、着用シーン、サイズ、予算、他のアクセサリーとの相性を考慮しましょう。
エルメスのブレスレットは、単なる装飾品ではなく、持ち主のスタイルを語り、長く愛用できる投資とも言えるアイテムです。
この記事が、あなたにとって最適な一本を見つけるための一助となれば幸いです。
参考