伊勢志摩のきらめく海を訪れたなら、誰もが一度は夢見るのではないでしょうか。
「自分の手で、アコヤ貝から本物の真珠を取り出してみたい」。
その特別な体験を、世界に名だたるブランド「ミキモト」の名のもとに経験したいと考えるのは、ごく自然なことかもしれません。
伊勢・鳥羽の地は、ミキモトの創業者である御木本幸吉さんが、世界で初めて真珠の養殖に成功した、まさに真珠の聖地です。
この地で、世界にひとつだけの真珠と出会い、それをストラップやアクセサリーにして旅の思い出を持ち帰る…
想像するだけで、心がときめきますよね。
しかし、「ミキモト真珠島で真珠取り出し体験をしたい」と考えて情報を探しているあなたは、もしかしたら少しだけ、思い描いていた道のりとは違うルートを辿ることになるかもしれません。
でも、ご安心ください。
その道のりは、がっかりするようなものではなく、むしろ、もっと深く、もっとパーソナルな、あなただけの宝物を見つけるための、とっておきの冒険の始まりなのです。
この記事では、「ミキモトでの真珠取り出し体験」に関する正確な情報をお伝えするとともに、あなたの夢を叶えるための、伊勢志摩エリアで本当におすすめできる真珠取り出し体験工房を、料金や体験の流れ、個人での参加方法まで、どこよりも詳しく、そして心を込めてご案内します。
この記事を読み終える頃には、あなたの伊勢志摩の旅は、より一層輝きを増しているはずです。
この記事のポイント
- ミキモト真珠島での現状: ミキモト真珠島では、現在、一般の方向けの真珠取り出し体験は行われていません。
- 伊勢志摩の代替体験: 伊勢・鳥羽エリアには、本物のアコヤ貝から真珠を取り出し、アクセサリーに加工できる工房が複数あります。
- 体験料金の目安: 真珠取り出し体験の料金は、工房によりますが約1,800円から3,500円が相場です(アクセサリー加工代は別途の場合あり)。
- ミキモトの魅力: 体験はできませんが、ミキモト真珠島では真珠の歴史を学び、海女の実演を見学し、高品質なパールジュエリーを購入できます。
ミキモトでの「真珠取り出し体験」の真実と伊勢志摩で叶える本物の輝き

多くの人が「真珠の聖地、伊勢志摩へ行くならミキモトで真珠取り出し体験を」と考えるその背景には、ミキモトというブランドが持つ絶大な信頼と歴史があります。
しかし、その憧れの体験を計画する前に、まず知っておくべき大切なことがあります。
ここでは、その真実と、あなたの夢を最高の形で実現するための具体的な方法を詳しく解説していきます。
結論:ミキモト真珠島で真珠取り出し体験はできる?
結論から申し上げますと、2024年現在、ミキモト真珠島では一般の観光客向けの真珠取り出し体験は実施されていません。
旅行ブログなどで過去の体験談を見かけることがあるかもしれませんが、それは古い情報であったり、特別な企画であったりする可能性が高いです。
公式サイトにも、現在提供されているサービスとして真珠取り出し体験の記載はありません。
では、なぜ多くの人が「ミキモトで体験できる」と考えるのでしょうか。
それは、ミキモトの創業者である御木本幸吉さんが、1893年に世界で初めて真珠の養殖に成功した人物であり、「ミキモト=日本の真珠」というイメージが世界的に定着しているからです。
真珠養殖発祥の地であるミキモト真珠島で、その象徴的な体験ができるはずだ、と考えるのはとても自然なことです。
その強いブランドイメージが、この素敵な勘違いを生んでいるのです。
しかし、がっかりする必要はまったくありません。
真珠養殖の歴史が息づくこの伊勢・鳥羽エリアには、ミキモト真珠島とはまた違った魅力を持つ、素晴らしい真珠取り出し体験ができる工房がいくつも存在します。
むしろ、ここからが、あなただけの特別な真珠を見つける本当の旅の始まりなのです。
伊勢・鳥羽エリアで最高の真珠取り出し体験ができる人気工房4選

ミキモト真珠島では体験ができなくても、周辺の伊勢市や鳥羽市、志摩市に足を延ばせば、本物のアコヤ貝から自分で真珠を取り出し、その場でアクセサリーに加工してくれる素敵な工房がたくさんあります。
それぞれに個性があり、雰囲気や料金、体験スタイルも様々です。
ここでは、特に人気と評判の高い4つの工房を厳選してご紹介します。
まずは、それぞれの特徴が一目でわかる比較表をご覧ください。
| 工房名 | 料金目安 | 所要時間 | 特徴 | 予約 |
|---|---|---|---|---|
| 三重県真珠 | 1,870円~ (金具代別途) | 約45分 | アクセス抜群、屋内開催で天候不問。 家族連れや時間に限りがある方に最適。 |
予約推奨(特に繁忙期) |
| 真珠工房 真珠の里 | 2,200円~ (金具代別途) | 約60分~ | 釣りやBBQも楽しめる複合施設。 一日ゆっくり過ごしたいグループに。 |
予約推奨 |
| パール美樹 | 3,500円~ (金具代込み) | 約60分 | 海上の真珠筏で行う本格的な雰囲気。 よりリアルな体験を求める方に。 |
必須 (完全予約制) |
| 菊池パール | 2,750円 (ストラップ代込み) | 約40分 | 水槽から自分で貝を選ぶ楽しみ。 料金体系が分かりやすいプランを求める方に。 |
予約推奨 |
【伊勢市二見】アクセス便利で手軽に楽しめる「三重県真珠」

伊勢神宮からもほど近く、伊勢二見鳥羽ライン「二見IC」から車で約5分というアクセスの良さが魅力の工房です。
体験はすべて店内で行われるため、雨の日でも安心して楽しめます。
まず「真珠ができるまで」のDVDを約5分鑑賞し、その後、いよいよ真珠の取り出しへ。
スタッフが丁寧にサポートしてくれるので、小さなお子様や初めての方でも心配いりません。
取り出した真珠は、豊富な種類の金具を選んでアクセサリーに加工できます。
カゴパーツが880円から、ペンダントトップが1,100円からと、予算に合わせて選べるのも嬉しいポイントです。
所要時間も全体で45分ほどとコンパクトなので、旅行のスケジュールに組み込みやすいのが特徴です。
【志摩市】体験メニューが豊富!レジャー施設「真珠工房 真珠の里」
真珠養殖発祥の地ともいわれる風光明媚な英虞湾(あごわん)に位置する、体験型のレジャー施設です。
ここでは真珠取り出し体験だけでなく、海上バーベキューや魚釣りなども楽しむことができ、家族やグループで一日中過ごせます。
真珠取り出し体験では、直径6mm、運が良ければ8mmほどのアコヤ真珠が出てくることも。
取り出した真珠を加工するアクセサリー金具は、なんと400種類以上。
手頃なメッキ素材から、K18ゴールドやシルバーといった本格的なものまで揃っており、こだわりの逸品を作ることができます。
自然に囲まれた場所で、アクティブに楽しみたい方におすすめです。
【志摩市】海の上で本格体験!風情あふれる「パール美樹」

「まるで本物の真珠養殖家になったみたい!」そんな気分を味わえるのが、パール美樹の最大の魅力です。
体験は、実際に海に浮かぶ真珠養殖場の筏(いかだ)の上で行われます。
足元にはウニや魚が泳ぐ姿が見え、昭和初期の面影を残す風景の中で、アコヤ貝を手に取る瞬間は感動的です。
こちらのプランは、真珠取り出しとアクセサリー作りがセットになっており、「取り出しだけ」はできません。
料金には金具代が含まれており、ネックレスやストラップ、指輪など約200種類から選べます。
完全予約制なので、訪れる際は必ず事前に連絡を入れましょう。
より本格的で、没入感のある体験を求める方にぴったりの工房です。
【伊勢市】自分で貝を選ぶドキドキ感が楽しい「菊池パール」

「運命の真珠は、自分で選びたい!」そんな方におすすめなのが菊池パールです。
水槽にいるアコヤ貝の中から、自分の直感を信じて好きな貝をひとつ選びます。
どんな色や形の真珠が出てくるかは、開けてみてのお楽しみ。
この選ぶ過程が、体験を一層特別なものにしてくれます。
料金は2,750円で、取り出した真珠をその場でストラップに加工してもらう費用が含まれているため、料金体系が非常に分かりやすいのが特徴です。
もちろん、追加料金で他のアクセサリーにすることも可能です。
熟練の職人さんが短時間で加工してくれるので、その日のうちに素敵な思い出を持ち帰ることができます。
真珠取り出し体験の料金はいくら?値段の相場を徹底比較
真珠取り出し体験の料金は、工房やプラン内容によって異なりますが、大まかな相場を知っておくと計画が立てやすくなります。
まず、アコヤ貝1個から真珠を取り出す基本的な体験料金は、おおよそ1,800円から2,750円程度です。
この料金には、体験そのものの費用、スタッフの指導料、そして取り出した真珠1個の代金が含まれています。
これは単に「真珠を買う」のとは違い、真珠が生まれる瞬間に立ち会うという、感動的な「体験」への対価と考えると、非常に価値のあるものと言えるでしょう。
次に、注意したいのがアクセサリーへの加工料金(金具代)です。
多くの工房では、この金具代が別途必要になります。
例えば、以下のような価格設定が一般的です。
- ストラップ: 500円~1,500円
- ペンダントトップ: 1,000円~4,000円
- リング: 4,400円~
- ピアス・イヤリング: 2,200円~
一方で、「パール美樹」のように体験料に金具代が含まれているプラン(3,500円~)や、「菊池パール」のように基本のストラップ代が含まれているプラン(2,750円)もあります。
予算を明確にしたい場合は、こうした料金込みのプランを選ぶと安心です。
トータルでは、体験+簡単なアクセサリー加工で、一人あたり3,000円~5,000円程度を見ておくと良いでしょう。
体験で取り出すアコヤ真珠は本物?品質は?
はい、体験で取り出す真珠はすべて本物のアコヤ真珠です。
実際に養殖された本物のアコヤ貝(体験専用に加工されている場合があります)を自分の手で開け、中から真珠を取り出します。
ただし、品質については少し理解が必要です。
ミキモトのジュエリーショップに並んでいるような、完璧な真円で、色もテリも均一な最高品質の真珠が出てくるわけではありません。
貝を開けるまで、どんな真珠が出てくるかは誰にも分かりません。
色はホワイト、クリーム、ピンク、ブルー、ゴールド系など様々。
形もまん丸なものから、少し歪んだバロック型、しずく型のドロップなど、個性豊かです。
体験者のブログなどを見ると、その個体差に驚き、感動する声が多く見られます。
しかし、それこそがこの体験の醍醐味なのです。
少し形が不揃いでも、小さなキズ(エクボ)があったとしても、それはあなたの手で取り出した、世界にたった一つの真珠の「個性」。
その偶然の出会いこそが、何物にも代えがたい価値となり、旅の最高の記念品になるのです。
完璧な美しさではなく、あなただけの物語を持つパーソナルな輝き。
それが、この体験で得られる最高の宝物と言えるでしょう。
予約は必要?一人でも参加できる?
予約については、工房によって方針が異なります。
- 予約必須: 「パール美樹」は完全予約制です。
前日までに必ず予約をしましょう。 - 予約推奨: 「三重県真珠」や「真珠工房 真珠の里」などは予約なしでも体験できる場合がありますが、夏休みやお盆、連休などの繁忙期は大変混雑します。
待ち時間が長くなったり、受付が締め切られたりすることもあるため、事前の予約を強くおすすめします。 - 個人での参加: すべての工房で、お一人様からの参加を歓迎しています。
一人旅の素敵な思い出作りにもぴったりです。
週末や観光シーズンに訪れる予定の方は、計画が決まったら早めに各工房の公式サイトや予約サイトから予約を済ませておくと、当日スムーズに体験を楽しむことができます。
ストラップやネックレスに!世界に一つのアクセサリー作り体験の流れ

ドキドキの真珠取り出しから、オリジナルのアクセサリーが完成するまでの一般的な流れをご紹介します。
工房によって細かな違いはありますが、おおむね以下のステップで進みます。
- 受付と説明
お店に到着したら、まずは受付を済ませます。
ここでスタッフから体験の流れや道具の使い方について簡単な説明を受けます。
「三重県真珠」のように、真珠ができるまでを学ぶ短いDVDを鑑賞する場合もあります。 - アコヤ貝を選ぶ
いよいよ主役のアコヤ貝との対面です。
用意されたカゴや水槽の中から、直感で「これだ!
」と思う貝を一つ選びます。
この選択が、どんな真珠と出会うかを決める運命の瞬間です。 - 貝を開ける
専用の道具(ヘラやバターナイフのような形状のものが多いです)を使って、アコヤ貝の口を慎重に開けていきます。
貝は意外と固く閉じていますが、スタッフがコツを教えてくれるので大丈夫。
貝柱を切り、パカっと貝が開いた時の達成感は格別です。 - 真珠の発見と取り出し
開いた貝の身の中から、ピンセットなどを使ってそっと真珠を探し出します。
ぬるりとした身の中から、コロンと輝く真珠が現れる瞬間は、この体験で最も感動的なクライマックスです。 - 洗浄・研磨
取り出したばかりの真珠は、少しぬめりがついています。
「パール美樹」では粗塩で磨くなど、工房指定の方法で真珠をきれいに洗浄し、本来の輝きを引き出します。 - 金具選びと加工
きれいになった真珠を手に、アクセサリーの金具を選びます。
ストラップ、ペンダント、リング、ピアスなど、数百種類ものデザインの中から、自分の真珠の形や色にぴったりのものを選びましょう。
金具が決まったら、スタッフが真珠に穴を開け、専用の接着剤で固定してくれます。
このプロの作業を見ているのも楽しい時間です。 - 完成!
接着剤が乾くまで少し待てば、世界に一つだけのオリジナルパールアクセサリーの完成です。
その日のうちに持ち帰ることができるので、早速身に着けて旅を続けることができます。
あなたにぴったりなのは?目的別おすすめ真珠取り出し体験プラン
どの工房も魅力的で、どこに行こうか迷ってしまいますよね。
そこで、あなたの旅の目的やスタイルに合わせた、おすすめのプランをご提案します。
本格的な雰囲気を味わいたいあなたへ:「パール美樹」
せっかく真珠の聖地に来たのだから、とことん本格的な雰囲気に浸りたい。
そんな方には、海上の筏で体験できる「パール美樹」が断然おすすめです。
潮の香りや波の音を感じながら、本物の漁師町で真珠を取り出す体験は、忘れられない思い出になるでしょう。
ロマンチックな雰囲気を求めるカップルにもぴったりです。
小さなお子様連れのファミリーへ:「三重県真珠」
小さなお子様と一緒の旅行では、天候や移動のスムーズさが気になりますよね。
「三重県真珠」は、インターチェンジから近く、体験もすべて屋内で行われるため、小さなお子様連れでも安心して楽しめます。
所要時間も比較的短いので、お子様が飽きずに集中できるのも嬉しいポイントです。
体験+αで一日中楽しみたいグループへ:「真珠工房 真珠の里」
友人グループや三世代での旅行なら、真珠取り出し体験だけでなく、他のアクティビティも一緒に楽しめる「真珠工房 真珠の里」が最適です。
午前中は真珠取り出しとアクセサリー作り、午後は海で魚釣りをし、夕方からは獲れた魚と一緒に海上バーベキュー、といった贅沢な一日を過ごすことができます。
手軽さと分かりやすさを求める方へ:「菊池パール」
「あまり予算はかけられないけど、記念になる体験がしたい」「複雑な料金は苦手」という方には、「菊池パール」がおすすめです。
料金にストラップ代が含まれている明朗会計で、気軽に参加できます。
水槽から自分で貝を選ぶというエンターテイメント性もあり、短時間で満足度の高い体験ができます。
真珠王の夢が宿るミキモト真珠島と、一生もののパールの知識
伊勢志摩で真珠取り出し体験を楽しんだなら、ぜひその足で「ミキモト真珠島」へも訪れてみてください。
体験はできなくても、この島には真珠のすべてが詰まっています。
真珠の歴史や文化に触れることで、あなたの手の中にある一粒の真珠が、さらに愛おしく、価値のあるものに感じられるはずです。
そもそもミキモトの何がすごいの?世界が認める品質と歴史
「ミキモト」が世界的なハイジュエラーとして知られているのには、明確な理由があります。
それは、創業者である御木本幸吉さんの、真珠に捧げた情熱と、誰も成し遂げられなかった偉業の歴史そのものです。
御木本幸吉さんは、1858年に三重県鳥羽のうどん屋の長男として生まれました。
当時、天然真珠は乱獲によって絶滅の危機に瀕しており、その希少性から非常に高価なものでした。
これを憂いた御木本幸吉さんは、「自分の手で真珠を作り出し、世界中の女性を真珠で飾りたい」という壮大な夢を抱きます。
数えきれないほどの失敗と、赤潮による貝の全滅という悲劇を乗り越え、1893年、ついに世界で初めて半円真珠の養殖に成功。
さらに研究を重ね、1905年には真円真珠の養殖にも成功しました。
これは、まさに歴史的な発明でした。
しかし、彼の挑戦はそこで終わりません。
ヨーロッパでは当初、養殖真珠は「偽物」だと批判されました。
1921年にはロンドンやパリで「ミキモトの真珠は模造品だ」と喧伝され、裁判にまで発展します。
しかし、御木本幸吉さんは科学的な証拠をもってこれに反論し、3年にもわたる法廷闘争の末に勝訴しました。
この「パリ真珠裁判」をきっかけに、ミキモトの養殖真珠は「本物」として世界に認められ、その名声は不動のものとなったのです。
また、ミキモトは1924年に宮内省(現在の宮内庁)御用達の宝飾店に任命され、以来、皇室の方々が身に着けるティアラや宝飾品を数多く製作してきました。
こうした歴史と、厳格な基準で選び抜かれた最高品質の真珠だけを扱うという創業以来の哲学が、ミキモトを世界一のパールジュエラーたらしめているのです。
ミキモト真珠島でしか見られない!必見の見どころを解説

鳥羽湾に浮かぶ緑豊かなミキモト真珠島は、まさに真珠のテーマパーク。
島内には見どころがたくさんありますが、特に訪れたい3つのスポットをご紹介します。
- 真珠博物館
真珠がどのようにしてできるのか、その科学的な仕組みから、養殖の工程、品質の見分け方まで、真珠に関するあらゆる知識を学ぶことができます。
圧巻なのは、アンティークジュエリーや、ミキモトが万国博覧会に出品した豪華絢爛な美術工芸品の数々。
特に、真珠とルビーで装飾された地球儀は、その美しさに誰もが息をのむでしょう。 - 御木本幸吉記念館
「真珠王」と呼ばれた御木本幸吉さんの波乱万丈な生涯を、貴重な資料や遺品とともに紹介しています。
彼の不屈の精神や、真珠への深い愛情に触れると、ミキモトというブランドが単なる宝飾店ではなく、一人の人間の夢の結晶であることがよく分かります。 - 海女の実演
かつて真珠養殖に欠かせない労働力であった海女さんたちの伝統的な潜水作業を、目の前で見学することができます。
昔ながらの白い磯着をまとった海女さんが、巧みに海へ潜っていく姿は、今やこのミキモト真珠島でしか見ることのできない貴重な光景です。
1日に数回、決まった時間に実演が行われるので、事前にスケジュールを確認しておくのがおすすめです。
パールプラザのショップで買えるものと値段の目安
島内にあるショップ「パールプラザ」は、真珠好きにはたまらない空間です。
ここには、創業者名を冠した「御木本真珠島」ブランドのオリジナルジュエリーを扱うショップと、世界に名だたるハイブランド「MIKIMOTO」のブティックの2つが入っています。
残念ながら、公式サイトなどでは商品の具体的な価格帯は公表されていません。
しかし、一般的に「御木本真珠島」ブランドでは、数万円台から購入できるペンダントやピアス、真珠のエキスを配合したコスメティックスなど、お土産や自分へのご褒美にぴったりの商品が揃っています。
一方、「MIKIMOTO」ブティックでは、数十万円から数百万円、あるいはそれ以上するような、最高品質のパールを用いたハイジュエリーが並びます。
購入する予定がなくても、ウィンドウショッピングをするだけで、ため息が出るほど美しい真珠の世界を堪能できます。
まさに、目の保養にぴったりの場所です。
ミキモトの真珠の寿命は?美しさを永遠に保つお手入れ方法
「真珠は生き物」と言われるように、その輝きは永遠ではありません。
しかし、正しいお手入れをすれば、世代を超えてその美しさを保つことができます。
ミキモトの真珠はもちろん、体験で手に入れたあなただけの一粒も、これから紹介する方法で大切に扱ってあげてください。
- 酸と化学物質を避ける
真珠の主成分は炭酸カルシウムで、酸に非常に弱い性質を持っています。
汗や皮脂、化粧品、ヘアスプレー、香水、果汁などが付着すると、表面が侵されて輝きが失われる原因になります。
パールジュエリーは、必ずお化粧やヘアセットがすべて終わった、身支度の最後に着けることを習慣にしましょう。 - 使用後は必ず拭く
これが最も重要なお手入れです。
着用後は、必ず真珠専用のクロスか、柔らかく乾いた布(メガネ拭きなど)で、一粒ずつ優しく拭いてください。
汗や汚れをその日のうちに拭き取るだけで、真珠の寿命は格段に延びます。 - 保管場所に注意する
真珠は、熱や紫外線、極端な乾燥や湿気も苦手です。
直射日光が当たる場所や、暖房器具の近くは絶対に避け、専用のケースに入れて保管しましょう。
また、表面が柔らかく傷つきやすいため、他の硬い宝石や金属と触れ合わないように、仕切りのあるケースか、個別の袋に入れるのが理想です。
タンスにしまう際は、防虫剤のガスが真珠を劣化させることがあるので、直接触れないように注意してください。 - 定期的な糸替えを行う
パールネックレスをつないでいる糸は、使っているうちに伸びたり、劣化したりします。
ネックレスをまっすぐ垂らした時に、珠と珠の間に隙間が見えるようになったら、糸替えのサインです。
使用頻度にもよりますが、5年~10年に一度は専門店で糸を交換してもらうと、切れにくくなるだけでなく、珠の間の汚れもクリーニングしてもらえ、輝きが蘇ります。
ミキモト真珠島へのアクセス・営業時間・入場料金ガイド
ミキモト真珠島への訪問を計画する際に必要な基本情報をまとめました。
旅行のスケジュールを立てる際にお役立てください。
| 所在地 | 〒517-8511 三重県鳥羽市鳥羽1-7-1 |
| アクセス | JR・近鉄「鳥羽駅」から徒歩約5分~10分 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 ※季節により変動あり。 訪問前に公式サイトで確認するのがおすすめです。 |
| 休業日 | 12月の第2火曜日より3日間 |
| 入場料金 | 大人: 1,650円 / 小人(小・中学生): 820円 ※各種割引あり |
| 駐車場 | 有料 (120台 / 2時間600円、以降1時間ごとに200円) |
体験の合間に立ち寄りたい!伊勢志摩のおしゃれランチ&カフェ
真珠取り出し体験やミキモト真珠島巡りの合間には、素敵なカフェで一息つきたいもの。
伊勢志摩エリアには、旅の気分を盛り上げてくれるおしゃれなランチスポットやカフェがたくさんあります。
ここでは、30代から50代の女性に特におすすめのお店をいくつかご紹介します。
- 絶景オーシャンビューカフェ:「鳥羽国際ホテル カフェ&ラウンジ」
鳥羽の美しい海を一望できる、まさに絶景のカフェラウンジ。
洗練された空間で、ホテルメイドの美味しいケーキや紅茶をいただきながら、優雅なひとときを過ごせます。 - 古民家を改装した隠れ家ランチ:「LOBO」
鳥羽にある豪邸をリノベーションした、隠れ家的なカフェレストラン。
暖炉のある高級感あふれる空間で、非日常的なランチタイムを楽しめます。
老舗洋菓子店が経営しており、デザートも絶品です。 - 本格スイーツが楽しめるお店:「Jubilee Tea & Bakes」
ナチュラルテイストの落ち着いた雰囲気の中で、本格的な英国式紅茶と、焼きたてのスコーンが味わえるカフェ。
丁寧に作られたスイーツで、心も体も癒されます。 - 伊勢神宮・外宮参道で楽しむ:「ダンデライオン・チョコレート 伊勢外宮店」
サンフランシスコ発の本格的なチョコレート専門店。
伊勢店限定の、三重県産ほうじ茶を使った「イセホットチョコレート」は、さっぱりとした甘さで歩き疲れた体に染み渡ります。
【まとめ】ミキモトの真珠取り出し体験と伊勢志摩の旅を最高に楽しむために
この記事でご紹介した内容をまとめます。
- ミキモト真珠島では、現在、一般向けの真珠取り出し体験は行われていません。
- 伊勢・鳥羽・志摩エリアには、「三重県真珠」や「真珠工房 真珠の里」など、魅力的な真珠取り出し体験ができる工房が複数あります。
- 体験料金の相場は、取り出しのみで1,800円~2,750円程度、アクセサリー加工を含めると3,000円~5,000円程度が目安です。
- 体験で取り出すのは本物のアコヤ真珠で、その色や形は開けてみるまでのお楽しみです。
- 工房によっては予約が必要な場合があるため、特に週末や繁忙期は事前の確認・予約がおすすめです。
- 体験では、取り出した真珠をその場でストラップやネックレス、リングなどに加工してもらえます。
- ミキモトは、創業者・御木本幸吉さんの偉業と、世界が認める品質によって、最高のパールブランドとしての地位を築きました。
- ミキモト真珠島では、真珠博物館や海女の実演など、真珠の歴史と文化を深く学べる見どころがたくさんあります。
- 島内のパールプラザでは、ミキモトの高品質なジュエリーやオリジナルグッズを購入できます。
- 真珠の美しさを長く保つには、「使用後に拭く」「酸や化学物質を避ける」「適切に保管する」といった日々のお手入れが重要です。
- ミキモト真珠島は鳥羽駅から徒歩圏内にあり、アクセスも良好です。
- 伊勢志摩エリアには、旅の合間に立ち寄りたいおしゃれなカフェやランチスポットも豊富にあります。
「ミキモトでの真珠取り出し体験」という最初の目的は、少し形を変えることになりました。
しかし、その代わりに、あなたは伊勢志摩の豊かな自然の中で、自分の手で宝物を発見するという、よりパーソナルで、かけがえのない体験への扉を開いたのです。
ご紹介した工房で世界に一つの真珠と出会い、そしてミキモト真珠島でその歴史の深さに触れる。
この二つの体験を組み合わせることで、あなたの伊勢志摩の旅は、きっと忘れられない、最高の輝きに満ちたものになるでしょう。

